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ThinkPad x100e レビュー:その3、開発環境でいける?

さて、最初に書いたように、私の使用目的として開発環境として使えるかどうか?です。

そもそもx100eはスペック的にも、そういったヘビーな用途を想定していないでしょうから動作は重いです。重いのは、まぁ、スペック通りなので仕方がないのですが、HDDのアクセスランプが無いのには困りました。操作中のウィンドウがちょっと反応悪いときとか「何か処理中で重いのかな?」とついアクスランプを確認してしまうのですが、これが無いんですよね。特に開発中には、ディスクにアクセスしていることを確認する事も多々あるのですが、これが出来ないってのも致命的です。アクセスランプを表示するツールを導入するってのもあるでしょうが、信頼性を考えるとちょっとデバッグ用途には使えないでしょうし。

では、実際にカチャカチャと(アイソレーションなので、カチャカチャ言いませんが…)と、エディタを使いプログラミング作業をして使用感を確かめてみたいと思います。

うーんアイソレーションの打ち心地は悪くないんですが、キーボード配列がいただけません。私が開発時に使っているエディタは秀丸エディタなのですが、DOS時代に使っていたエディタと同じキー配列にカスタマイズしていて、これがファンクションキーを多用するんです。ところがx100eのファンクションキーが小さい。ま、他のノートPCもファンクションキーが小さいことが多いのですが、さらに[PgUp]/[PgDn]/カーソルキーも小さい。これ、私には致命的・・・。従来のThinkPadのように7列配列&カーソルキーはみ出し配置だったらよかったのに・・・。ま、使っているウチに慣れるかもしれませんが、切羽詰まっている時などはイライラしそうです(^_^;) 下は、T42のキーボードです。

t42_key

次は、開発環境としてVS2008をインストールして、実際にビルドなどして処理にかかる時間を見てみました。x100eは、シングルコアのAMD Athlon MV-40 1.60GHzにメモリ2GB、メインPCはIntel Core2Quad Q6600 2.40GHz のメモリ3GBです。

まずは、適当にVS2008のアプリケーションウィザードでMFCアプリケーションを作成し、無変更のままそれをビルドしてみました。結果は以下の通りです。

x100e

18秒

メインPC

13秒

この差ならば特に不満はありません。x100eがんばってます!

では次は、複数のプロジェクトが集まっている(ソリューションという)のをビルドしてみます。結果は以下の通りです。

x100e

約12分

メインPC

約3分

うーん、先ほどとは違い大きく差が開きました。これはたぶんCPU単体のクロックの違いももちろんですが、コア数の違いが大きく差として現れたのかなと思います。物理4コアなメインPCは、パラレルで複数のコンパイルが動作している様子がログから分かりますが、シングルコアなx100eのログからは、まさに1ファイルづつコンパイルしているのが分かります。

これに対し、最初の単独プロジェクトは、メインPCでもパラレル処理は行われなかった事がログから分かります。

ま、そもそもターゲットとする使用法では無いので、こんなものかもしれません。

さて、まとめとして実際に開発環境として使えるか?ですが、全体がそつなくまとまっていて、アイソレーションキーの使い心地も悪くない、キーボードの配列に慣れることが出来ればOKでしょう。ただ、私はこのキー配列ダメかもしれませんが…。ThinkPadといえば、使いやすいキーボードを連想してしまいますが、それを求めるならばx100eは対象外となります。

うーん、残念。

ThinkPad x100e レビュー:その2、ファーストインプレッション

とりあえず、ファーストインプレッションを。

届いたx100eはアークティック・ホワイト。アークティックホワイトってなにかわからないんですが、検索するとアークティックって北極とのことらしく「北極の白さ」という事でしょうか。車の外装色などにもよく使われているようです。ThinkPadといえば黒なので、ちょっと新鮮な感じですね。ただのソリッド塗装ではなく、少しだけラメっぽい感じがするので、人に聞かれたら、「パールコーティングされていないパールホワイトっぽい感じ」と答えるかな。実は私の愛車はパールホワイトなので親近感もてますw

x100e2

届いた評価機はすでに何人かの評価を経ている物らしく、天板にはうっすらと擦り傷があり、白プラスチックの宿命で、傷などが黒ずんで汚れが気になるかなぁといった感じです。気になる方は黒の方が無難かもしれません。

とりあえず、手元にあるノートPCを重ねてみました。下から、ThinkPadT42>MacBook>ThinkPadx100e です。

stack

x100eは天板や底面も白なのですが、背面やバッテリ、内装は黒のままです。

x100e_under

私は気にならなかったのですが、ウチの奥様は「ツートンはチープに見える。全部白がいいね。それが無いなら全部黒の方がいい」と言ってました。女性の意見だなぁと思っていたんですが、なるほど言われてみるとチープさが気になってきますw。ポリカーボネイトのMacBookは全部白で統一されていて、こっちの方がセンスがありそうです。これもコスト削減の影響でしょうか。

x100e_open

macbook_open

蓋を開けて、一番最初に目に付いたのはやはりアイソレーションキーボードでした。前出のMacBookのアイソレーションキーボードと並べてみました。

macbook_on_x100e

MacBookのキーは単純な四角形、それに比べx100eのは下側に丸みがあります。実際に文字を打ち込んでみると、この丸みがキー間のスペースを適度に生み、なかなかいいです。それに剛性が高く、キーのたわみも気にならないのはとても良いです。もちろんThinkPadのそれと比べればアレですが、このランクのアイソレーションキーボードとしては文句ない出来です。もちろんトラックポイントの使い勝手も問題無しです。

さて電源を入れて、最初に飛び込むWindowsの画面なのですが、モニタが青いです…。たぶん色温度の初期設定が高いのでしょう。ウチの液晶(L887,2001FP,L461)はsRGBの6500Kに統一してあるのですが、比較してみると8500Kくらいはありそうです。確か昔のCRTとかは9300Kくらいが初期設定で、それがちょうどオフィス環境光に良かったような話の記憶があるので、そういった流れもあるのでしょうか。

x100e_L887

好みの色温度に変更できればよいのですが、変更する手段を見つけることが出来なく残念です。ネットを調べてみると、ThinkPadの初期値はどれも色温度が高めに設定されてそうな記述を見かけます。ま、ノートPCに色の再現性の厳密さを求めてもしょうがないのですが、色温度を調整できるような設定が欲しかったです。

次、使用感に行きたいと思います。まず、起動するとWindowsの宿命で、スタートアップ作業やアップデートチェックやらがバックグランドでパラで動作するからなのか、とても重い感じがします。評価機のx100eがシングルコアだからでしょうかね。しばらく放置してから操作してみましたが、うーん、やはり快適というわけでは無いですね。正直、体感速度は6年前のT42と同じか、それ以下なんです。Windows7のWindowsエクスペリエンスを見ると、わずかにx100eの方が上かなという数値なんですけどね。(上がT42、下がx100e)

t42_Win7

x100e_win7

世代的にはずいぶんと新しくなってますから、「このランクでも数年前のPCよりは速いだろう」と想像していたのですが、ちょっと残念です。やはり5万円では虫のいい話なのでしょうか。

ただし単独で、ウェブブラウズをしたりメールのチェックをしたりとした用途なら問題なさそうです。今回は評価という事もあって、あれもコレも起動させたりしたので、必要以上に重く感じたのかもしれません。欲を言えばサクサク行ってほしいところですが、5万円で買えるノートパソコンとしては文句はないでしょう。そういう意味ではやはりネットブックだったり、2台目需要なんですね。でもそこはThinkPadブランド、過度な期待はしない方が良いですが、なかなか悪くないと思いますよ。

もし知人に「安くてお勧めの2台目ノートは何がいい?」とか「家族用のサブノートは何がいい?」と聞かれたら、お勧め出来るのではないかと思います。あ、やっぱりデュアルコアが評価したかったです。

ThinkPad x100e レビュー:その1、最初に

AMN様の「ThinkPad/IdeaPad3回目 製品お試しキャンペーン」に申し込んで、ThinkPad x100eをお借りすることが出来ましたので、簡単なレビューなどを書きたいと思います。

x100e

本当はデュアルコア版を評価したかったのですが、届いたのはシングルコア版でした・・・。残念。

さて私(本職プログラマー)の場合メイン環境はデスクトップPCで、ノートPCの出番は、顧客との打ち合わせ時の動作確認用に携帯したり、現場などですぐに対応できそうならその場でバグだし&修正作業などを行うための携帯だったりといった限定された状況のみで、少なければ月に一回も登場しません。そんな事もあったのでノートPCはいまだにThinkPadT42という古〜いPCを使っています。このT42解像度は高い(1400x1050)し、大きさもまぁA4ファイルサイズで携帯も不可能ではないし、キーは打ちやすいしで、そこそこ不満は無かったのですが、さすがに古すぎ(2004年発売)だろうという思いと、ホントに重い(2.3kg)wということでそろそろ新しいノートPCでもどうかなぁと物色していたところでした。

買い換えにあたってポイントは

  • 使用頻度を考えると値段は安い方が嬉しい
  • 重量は1.5前後までにしたい
  • 画面は広ければ、広いほどよい
  • 開発環境(VS2008)がほどほど動作するスペックが必要
  • トラックポイントなら尚良い
  • キータッチは重要

こんな感じで、トラックポイントとキータッチを考えると、今までの慣れもありますしThinkPadしかないですね。値段&解像度&スペックを考えてちょっと前は、中古のT60pとかも物色していたのですが、やはり2.5kgオーバーは老体には堪えます。というわけでxシリーズとなり、今買うなら以下のようなラインナップかなと思っています。

  • x201s
  • x201/x201i
  • 中古 x200/x200s
  • x100e

予算を考慮しなければ解像度&スペック&重量(&自己満足w)の点でx201sで決まりなのですが、さすがに使用頻度が月一回未満な事を考えると、宝の持ち腐れです。

という訳で、今回は予算的に一番嬉しいx100eを借りることが出来ました。このx100eで自分の目的に事足りるならば何の問題もありません。キャンペーンを使えばシングルコアなら5万前後、デュアルコアなら7万円前後で狙えそうです。ありがとうLenovo様です。でも、デュアルコアを評価したかった…(^_^;)